|
第十一回:家族に届ける気持ちで!高齢者へ元気と健康づくりのお弁当の配食サービス。

今回は、高齢社会に地域助け合い活動を目的に食の安定した提供をはかる「特定非営利活動法人やつしろ配食サービスワーカーズパセリ」の代表 小田 信子(おだ のぶこ)さんにお話をうかがいました。
| [今月のキーパーソン] |
|
|
小田 信子おだのぶこ
特定非営利活動法人やつしろ配食サービスワーカーズパセリ代表:福祉・医療活動型
CB活動以前は、主婦、グリーンコープの理事、市民活動団体の事務局、市議会議員など様々なところで活躍。趣味は、読書と旅行。
座右の銘:楽しく生きる!人にも家族にも周りにもそう思っています。
|
|
グリーンコープの活動から食に関する問題、環境問題、福祉の問題、いろんなことが見えてきた。自分たちにできることから始めよう、それが家庭料理の配食サービス。
所属しているメンバーは、現在の活動を始める前は、グリーンコープのメンバーとして食に関する問題、環境問題、福祉の問題など様々なことに取り組んでいました。「安全な食事を取ることの大切さを考えていくうちに空気のことも気になり、福祉のことも気になってきました。言うだけ勉強をするだけ、行政にお願いするだけではなくて、なにか自分達で出来ることを始めようということがきっかけです。」と、代表の小田さんは言います。そして、家族の健康を守ってきた経験を地域福祉に活かせないだろうかという熱い思いが形になったのが「やつしろ配食サービスワーカーズパセリ」です。
なぜ、配食サービスだったのでしょうか?「設立時のメンバーは、団塊世代の真っ只中の世代。現在のような高齢社会で、自分たちの老後はどうなるのだろう、と考えたときに衣食住のなかで一番切実なのは「食」の問題だと思いました。高齢になると、だんだんと体力がなくなっていく中で、買い物に行き、料理をし、あと片付けをしなければいけません。この活動をしていなかったら、現在利用をしてくれている一人暮らしの高齢者の方は食事をどうやって摂っていたのだろう?という方がたくさんいらっしゃいますよ」と代表の小田さん。
→トップへ戻る
出資金は一人2万円?でもいろんな人に助けられて。
「主婦の経験から食事を作るということに関しては自信と経験がありましたので、できることから無理のない程度に一日20食くらいを作って配るという感じで始めよう、八代女性市民の会の調理場を借りて出来るのではないかというくらいの安易な発想でした。資金面でもそれぞれ家庭がありますし、出資金は一人2万円までが限度かな?と・・・・・。」と苦笑する小田さん。実際は、配食サービスが、設備投資にお金がかかります。「保健所に聞きに行ったら、食事を提供するためには安全面から衛生面から様々な配慮が必要で、そのためにはすごく費用のかかる調理場などを設けなければいけないことに驚かされました。そこでグリーンコープのネットワークで稼働中の事業所の情報を収集したり、助成金への応募をしたり・・・開業までの半年間にやったことです。」現在までの助成金の申請は、なんと21件。備品や調理場の設置費用のほとんどを助成金で賄うことができたそうですがそのフットワークの軽さに敬服します。さらにラッキーだったのは、「自分も地域に貢献したい」、と協力をする方がでてきたこと。現在の大家さんには、農家の倉庫を提供と同時に改装費の半分以上を負担していただいたそうです。
→トップへ戻る
高齢者により安全で美味しい食事を提供する、地域に密着したサービス。
「食に関しては安全で安心なもの、旬のもの取り入れて、地元の食材を使い、栄養バランスも考えて毎日の配食を行っています。これは、グリーンコープの会員だったころ家族に安全な食を提供したいという思いとかわりません。」と小田さんは言います。高齢者の食を支えるために昼と夕、一日2食の配食を日曜日以外の週6日配食サービスを行い、サービス開始から現在まで19万食を配食してきました。価格は、配達料込みで550円〜700円という安さ、品数も豊富で、ボリュームや調理方法、配達時間など、高齢者の要望に応えてきました。設立当初は、本当にボランティア的な賃金しか払えていなかったそうですが、現在では一日に170食、月に4700食くらいの配食をさせていただいて、最低賃金のお給料を払うことができるようになったとか・・・。同時に今までボランティア的な視点で参加していたスタッフにもよりプロ意識をもつことが大切だと毎月第一水曜日は研修日として意志の疎通と意識の向上のつとめているそうです。
「配食は、各家庭に直接スタッフが運びますので、一人で家に住んでいる方の安否の確認にもなっています。スタッフが配食に行った際に利用されている方が倒れていて、救急車を呼んで助けたこともありました。」と小田さんがおっしゃるように地域に密着したサービスとなっています。それは、単にお弁当だけのつながりではないという思いがあるためでしょう。クリスマスの一口ケーキのサービスや敬老の日のプレゼントなど細やかな心遣いにも現れています。
→トップへ戻る
高齢者の老後を支援しつづけるために
設立当初は、一度にたくさんの食事を作った経験がないので、作りすぎたり、焦がしたりとさまざまな失敗があったようです。失敗を重ね、利用してくれている方々から励ましや貴重な意見をもらいながら、経験を積むことで何とか乗り越えてきました。「利用者の方からお礼のお手紙をいただくこともあります。そんなときは、とてもうれしいですね。」みんなの意識も変わってきました。「家族の食事を作るだけではなく、利用者の方の食事を作るということで、社会に繋がっていると感じられること自体が楽しく、高齢者の方の生活を支えているという自負もでてきたように思えます。」とスタッフ。
高齢者の老後を支援し続けるためには、今後もっと経営を安定させることが重要だということです。高齢者は、夏場や冬場の食欲が落ちたり、施設への入所があったりと経営面で安定しないことがあるようで、そのために職員のローテーションを工夫したり、メニューを工夫したりしていますが、より安定した経営をするためには、より数をこなすことが要求されるようです。そのために設備の拡張と行政の配食サービスの事業委託を視野に入れて現在動いています。
高齢社会がより豊かで生活がしやすいように、これからも家族に届ける気持ちでおいしい食事を作ってください。
→トップへ戻る
最後にCBを始めたい人へ一言。
一緒に行動を出来る人が3人は必要です。活動を始めてすぐにはお金にならないので、お金がなくても困らないという覚悟が重要な要素だと思います。今でも儲かっていませんから・・・(笑)これから有望だと思うCBは?配食サービス!です。
会社概要
●特定非営利活動法人やつしろ配食サービスワーカーズパセリ
〒866-0895 熊本県八代市大村町622番地
TEL・FAX:0965-31-0148
■設立年月日/1999年10月事業開始、2000年11月法人設立
■代表者/小田 信子(おだ のぶこ)
■活動スタッフ/有給22名
■ 設立時の協力者(サポーター)の有無/有
グリーンコープ、市民団体(八代市女性市民の会メンバー)、友人知人
■設立時の資金調達について/現在までに助成金の申請を21件している。
設立時のメンバーが出資した額は一人2万円。それだけ色々な人に助けられている。
■ 設立時の人数/8名
■主な事業/お弁当の配食サービス
|